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材料電子論入門






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書籍情報
21世紀に入り計算機とその利用技術に大きな進歩があり,第一原理計算により物質の電子構造を定量的に評価することが可能となった.これを背景に本書は,材料科学を修めようとする大学生や,材料工学分野で活躍している若手研究者を対象に,量子論に基づいて物質の電子構造を理解してもらうことを目指して執筆している.電子を記述するためのシュレディンガー方程式の導出からはじめ,孤立原子,単純分子について解説したあと結晶の電子構造について述べる.そして,第一原理計算を材料科学へ応用するための流れについて概説している.原子,分子から結晶までを一連の流れとして記述し,材料科学に応用することも意識した類書にない構成となっている.
材料電子論入門
第一原理計算の材料科学への応用
A5/200頁 定価(本体2900円+税) 978-4-7536-5559-5
田中 功/松永克志/大場史康/世古敦人 著
まえがき 著者略歴

目 次
第1章 電子を記述する
1.1 シュレディンガー方程式の導出
1.2 演算子について
1.3 固有方程式,固有関数と固有値
1.4 平均値(期待値)と分散
1.5 量子論での測定値と平均値(期待値),不確定性
1.6 電子の位置
1.7 電子の角運動量

第2章 シュレディンガー方程式の解法
2.1 1次元の無限に深い井戸型ポテンシャル中の電子
2.2 2次元と3次元の場合
2.3 円環中の電子:周期的境界条件

第3章 原子の電子構造
3.1 水素原子に束縛された電子についてのシュレディンガー方程式
3.2 電子の角運動量の極座標表示
3.3 水素原子についての原子オービタル
 (1)波動関数が球対称であるとき/(2)波動関数が球対称でないとき
3.4 電子のスピンと,それに関わる量子数
3.5 2電子原子の電子構造
3.6 電子雲による遮蔽効果
3.7 一般の原子の電子構造と周期表

第4章 分子の電子構造―分子オービタル法
4.1 変分原理
4.2 リッツの変分法
4.3 分子オービタル法(1)―水素分子イオン
4.4 分子オービタル法(2)―水素分子
4.5 分子オービタル法(3)―一般的な分子
4.6 等核2原子分子
4.7 結合の次数
4.8 異核2原子分子
4.9 共有結合性とイオン性

第5章 遷移金属錯体の電子構造
5.1 結晶場理論と分子のスピン状態
5.2 配位子場理論
5.3 錯体の着色

第6章 結晶の電子構造―模式図
6.1 単体結晶の電子構造
6.2 単純金属酸化物結晶の電子構造
6.3 遷移金属酸化物結晶の電子構造

第7章 結晶の電子構造―バンド計算法
7.1 水素原子の1次元の鎖―有限長さから無限長さまで
7.2 ブロッホの定理
7.3 バンド計算法
 (1)自由電子モデル/(2)ポテンシャルが1次元の周期性を持っている場合/(3)3次元への拡張/(4)空格子近似による2次元および3次元結晶のバンド構造
7.4 状態密度

第8章 密度汎関数論による電子状態計算
8.1 密度汎関数論
8.2 原子核に及ぼされる力
8.3 巨視的な応力および圧力

第9章 結晶の電子構造―密度汎関数バンド計算法による計算例
9.1 自由電子モデルが電子構造のよい近似となる物質―単純金属
9.2 自由電子モデルから大きく離れた電子構造を持つ物質 ―遷移金属,共有結合性物質
9.3 酸化物結晶の電子構造

第10章 第一原理計算の材料科学への応用
10.1 統計力学における熱力学関数
10.2 第一原理計算による構造最適化
10.3 第一原理計算による相転移圧力
10.4 第一原理計算に基づいたフォノン状態と有限温度物性
10.5 擬調和近似による熱膨張とギブズ自由エネルギー
10.6 多成分系における相安定性
10.7 多成分系における固溶体および平衡状態図の計算
10.8 第一原理分子動力学計算
10.9 格子欠陥の構造と電子状態

付録1 電子の角運動量に関する交換関係
付録2 演算子の極座標表示
付録3 水素原子の無限鎖の波動関数のエネルギーεkと波数kの関係
付録4 平面波をベース関数としたときの永年方程式
付録5 バンド構造と波数ベクトルの記号
付録6 空格子近似による2次元正方格子についてのバンド構造



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