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在庫は時期によりまして 変動することがございます |
書籍情報
疲労き裂の「発生」と「進展」双方の知識と総合的な理解は今日,かつてないほど重要になっている.金属の場合,前者は結晶学・冶金学的な立場から原子レベルの線欠陥(転位)の振る舞いに注目することで現象の本質的な理解が進められてきた.後者は連続体近似に基づく力学の立場からの特徴付け(一例として破壊力学則)が一定の成功を収め今日では寿命設計の鍵を握るに至っている.本書は疲労き裂の「発生」と「進展」に関する学問体系を総括することを試みる. 大学学部学生の教科書・参考書としてはもちろん,金属疲労に関する研究・業務に携わる研究者や技術者にも役立つことを目指して書き下ろされた書. |
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金属疲労の基礎とメカニクス
結晶学と力学から読み解く金属の疲労
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A5/248頁 定価(本体4400円+税) 978-4-7536-5506-9
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兼子佳久(博士(工学))/田中啓介(工学博士)/高橋可昌(博士(工学)/澄川貴志(博士(工学))/平方寛之(博士(工学))/梅野宜崇(博士(工学)) 著 |
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目 次 |
第I部 金属疲労の基礎
第I.1章 序論
第I.2章 結晶のすべり変形と格子欠陥の基礎 I.2.1 金属結晶のすべり変形 ミラー指数/すべり変形/すべり系/シュミットの法則 I.2.2 金属結晶の格子欠陥 転位/バーガースベクトル/積層欠陥/転位間の弾性的相互作用 I.2.3 結晶の塑性と転位 転位を介したすべり変形/転位の増殖と消滅/転位同士の交切
第I.3章 金属結晶の疲労 I.3.1 繰り返し硬化 I.3.2 疲労の転位組織 転位構造の初期の発達/単一すべり方位を有する単結晶での転位構造/多重すべり方位を有する単結晶での転位構造 I.3.3 PSBの発達メカニズム PSBにおける空孔形成モデル/PSBにおける体積膨張 I.3.4 疲労き裂発生 延性金属における疲労破壊過程の概要/すべり帯からの粒内疲労き裂の発生 I.3.5 bcc金属の疲労 bcc金属の流動応力/bcc金属単結晶の繰り返し硬化/bcc金属における転位構造/{112}すべりの異方性/繰り返し変形によるbcc結晶の形状変化と粒界き裂
第II部 疲労破壊の力学
第II.1章 序論
第II.2章 疲労き裂の力学 II.2.1 疲労き裂の破壊力学 II.2.2 き裂先端の塑性変形と小規模降伏条件 II.2.3 疲労き裂の開閉口 II.2.4 下限界近傍のき裂進展挙動 II.2.5 疲労き裂の非線形破壊力学
第II.3章 疲労き裂発生と初期進展 II.3.1 疲労の微視過程 II.3.2 疲労き裂発生のマイクロメカニクス II.3.3 微小き裂の進展挙動 II.3.4 微視組織的微小き裂進展のマイクロメカニクス II.3.5 平滑材の疲労限度および下限界応力拡大係数範囲に及ぼす結晶粒径の影響 II.3.6 短いき裂と長いき裂
第II.4章 切り欠き・欠陥材の疲労限度と寿命評価 II.4.1 切り欠き疲労の設計基準と工学的アプローチ II.4.2 切り欠き底近傍での微小き裂の進展挙動 II.4.3 き裂進展抵抗曲線法による切り欠き疲労限度の予測 II.4.4 欠陥材の疲労限度3 領域線図 II.4.5 疲労寿命の算出
第III部 金属疲労研究の新展開
第III.1章 序論
第III.2章 水素環境下における疲労 III.2.1 き裂先端の電子顕微鏡観察手法 III.2.2 疲労き裂進展に及ぼす水素ガスの影響解析 III.2.3 今後の展望
第III.3章 ナノ・マイクロ疲労 III.3.1 単結晶金属における塑性変形の寸法効果 III.3.2 微小金属材料の疲労 III.3.3 今後の展望
第III.4章 金属薄膜の疲労 III.4.1 基板上薄膜の疲労 III.4.2 自立薄膜の疲労 疲労き裂進展の力学/疲労き裂発生の力学 III.4.3 今後の展望
第III.5章 疲労のモデリングとシミュレーション III.5.1 固体材料のシミュレーションと疲労問題 III.5.2 分子動力学法(MD) III.5.3 転位の静力学・動力学モデル III.5.4 連続体理論(反応拡散理論,連続体転位動力学) III.5.5 微分幾何学的アプローチ III.5.6 マルチスケールモデル III.5.7 今後の展望
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