チタンの基礎と応用
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A5/464頁 定価(本体8500円+税) 978-4-7536-5112-2
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新家光雄(工学博士)/池田勝彦(博士(工学))/成島尚之(博士(工学))/中野貴由(博士(工学))/細田秀樹(博士(工学)) 編著 |
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執筆者一覧(五十音順)
池田勝彦(関西大学 名誉教授,株式会社日本スペリア社)/伊藤芳典(静岡県工業技術研究所) /伊藤喜昌(日本チタン協会)/上杉徳照(大阪公立大学)/上田正人(関西大学)/岡部 徹(東京大学)/小川 厚(JFEテクノリサーチ株式会社)/小池 磨(神鋼鋼線工業株式会社)/北河久和(日鉄テクノロジー株式会社)/小林千悟(愛媛大学)/小林俊郎(豊橋技術科学大学 名誉教授)/佐藤 裕(東北大学)/佐原亮二(物質・材料研究機構)/鈴木昭弘(大同特殊鋼株式会社)/竹田 修(東北大学)/武智 勉(日本製鉄株式会社)/多根正和(大阪公立大学)/仲井正昭(近畿大学)/中野貴由(大阪大学)/中山武典(元 株式会社神戸製鋼所)/成島尚之(東北大学)/新家光雄(東北大学 名誉教授)/萩原幸司(名古屋工業大学)/萩原益夫(物質・材料研究機構)/塙 隆夫(東京医科歯科大学)/古原 忠(東北大学)/細田秀樹(東京工業大学)/三浦秀士(九州大学 名誉教授)/三木 基(日本チタン協会)/御手洗容子(東京大学)/山出善章(日本製鉄株式会社)
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目 次 |
第1章 チタン産業・技術開発の発展の歴史と市場動向 1.1 チタン産業の発展の歴史 1.1.1 金属チタンの誕生 1.1.2 主要国のチタン産業の発展の歴史 米国におけるチタン産業の発展の歴史/日本におけるチタン産業の発展の歴史/中国におけるチタン産業の発展の歴史/ロシア(旧CIS)におけるチタン産業の発展の歴史 1.2 チタンの技術開発の発展の歴史 1.2.1 米国,日本のチタンの技術開発の動向 1.3 市場動向 1.3.1 生産量の推移 スポンジチタン/インゴット/展伸材 1.4 チタンの輸入関税 1.5 チタン展伸材用途の特徴 1.5.1 世界マーケット全体の特徴 1.5.2 日本のチタン用途開拓 1.5.3 今後の国内チタン需要開拓 航空・宇宙分野/自動車部品分野/医療分野/建設用部材分野/淡水化プラント分野/今後の用途開拓について
第2章 状態図と組織 2.1 状態図と合金系 2.1.1 チタン二元系状態図 2.1.2 チタン合金の種類 2.1.3 β型チタン合金における時効現象と状態図 状態図と時効に伴う母相の溶質濃度変化/β型チタン合金におけるβ相の濃度分離 2.2 相変態 2.2.1 相変態の重要性 2.2.2 チタンの相変態とフォノン(格子振動) 2.2.3 チタン合金の相変態 α相およびβ相の安定性に及ぼす合金元素の影響/β相の急冷時の相変態/β→α′およびβ→α″変態/β→ω変態/チタン合金の拡散変態 2.3 熱処理および加工熱処理による組織制御 2.3.1 チタン合金の相安定性に基づく分類 2.3.2 チタン合金の主な熱処理法 熱間加工処理/焼鈍処理および溶体化処理/時効処理 2.3.3 チタン合金における基本的組織制御 2.3.4 チタンとその合金における加工熱処理 CP Tiおよびα型チタン合金の加工熱処理/α+β型チタン合金の加工熱処理/準安定β型チタン合金の加工熱処理 2.3.5 熱間加工によるチタン合金の結晶粒微細化 2.3.6 α相析出の結晶学と材料特性
第3章 合金設計法と計算科学 3.1 計算材料科学 3.2 第一原理計算の原理と手法 3.3 スーパーセル法と不規則合金 3.4 形成熱と溶解熱 3.5 有限温度への拡張 3.6 計算例 3.6.1 エンタルピー曲線と平衡濃度 3.6.2 不規則合金と弾性率 3.6.3 形状記憶特性
第4章 力学特性 4.1 弾性特性 4.1.1 単結晶の弾性特性の重要性 4.1.2 β相単結晶の弾性特性 4.1.3 α相およびω相単結晶の弾性特性 4.1.4 微細組織が弾性特性に及ぼす影響の解析 4.1.5 結晶配向性および結晶粒形状を考慮した多結晶弾性率のモデル計算手法 4.1.6 チタン合金における弾性率制御 4.1.7 モデル計算法の有効性 4.2 塑性変形特性 4.2.1 hcp構造を有するα-チタン単結晶の塑性変形機構 活動すべり系/活動双晶系/各変形モードの臨界分解剪断応力および温度依存性/添加元素が塑性挙動に与える影響/その他の変形機構(超塑性,クリープ変形) 4.2.2 bcc構造を有するβ型チタン合金単結晶の塑性変形機構 {332}〈113〉双晶系/{101}〈111〉すべり系 4.2.3 α+β二相チタン合金の塑性変形機構 4.3 強度・疲労・破壊特性 4.3.1 チタン合金の機械的性質,破壊靭性,疲労強度レベル 4.3.2 ミクロ組織と力学的特性 ミクロ組織と機械的性質,破壊靭性および疲労特性/滞留疲労 4.3.3 組織制御による強靭化 4.3.4 加工誘起変態と強靭性および疲労特性 4.3.5 水素によるチタン合金の脆化および強化 脆化/強化 4.3.6 侵入型軽元素による高強度・高疲労強度化 4.3.7 低温におけるチタン合金の機械的性質および破壊特性 強度および破壊特性/セレーション 4.4 形状記憶・超弾性特性 4.4.1 形状記憶の概念 4.4.2 マルテンサイト変態 4.4.3 形状記憶効果 4.4.4 二方向性形状記憶効果と擬弾性 4.4.5 超弾性効果 4.4.6 形状記憶・超弾性の温度範囲 4.4.7 形状記憶・超弾性処理 析出強化/固溶強化/加工硬化/結晶粒微細化 4.4.8 Ti-Ni系形状記憶合金 4.4.9 形状記憶・超弾性チタン合金 材料開発/力学・化学的性質/超弾性の向上のための加工熱処理/最新の超弾性チタン合金研究 4.5 摩擦摩耗 4.5.1 摩擦摩耗メカニズム 4.5.2 摩擦摩耗特性 相手材がセラミックス(Ceramics-on-metal)の場合の摩擦摩耗/相手材が金属(Metal-on-metal)の場合の摩擦摩耗 4.5.3 耐摩擦摩耗性の改善
第5章 腐食特性 5.1 【湿式】腐食・防食 5.1.1 チタンの耐食性とその応用 5.1.2 チタンの腐食性質と防食対策 チタンの一般耐食特性/チタンの腐食形態別の使用上の留意点と防食対策 5.1.3 チタンの表面処理 チタンの意匠性表面処理 5.1.4 チタンの耐食性表面処理 5.1.5 チタンの耐摩耗性表面処理 5.2 【乾式】高温酸化 5.2.1 高温酸化理解の意義 5.2.2 チタンの高温酸化に関する基礎 高温酸化の熱力学/酸化の速度式/酸化皮膜形成/αケース形成 5.2.3 チタンの高温酸化に関する研究 合金元素の影響/サイクル酸化/耐酸化性と機械的特性/高温酸化反応の利用/計算科学からのアプローチ 5.2.4 高温酸化に影響を及ぼす因子
第6章 製精錬とリサイクル 6.1 チタンの製精錬 6.1.1 資源と鉱石の高富化 チタンの資源/チタン鉱石の高富化 6.1.2 工業的製造法(クロール法,ハンター法) 金属チタンの製造法の歴史/クロール法/ハンター法 6.1.3 高純度チタン製造法(ヨード法,溶融塩電解+EB溶解法) ヨード法/溶融塩電解法+EB溶解法 6.1.4 新製錬法 電気化学的還元法と金属熱還元法/最近の研究開発動向 6.2 再資源化(リサイクル) 6.2.1 チタンのリサイクルの現状 6.2.2 スポンジチタン製造過程で発生するスクラップ 6.2.3 航空機産業から発生するチタンスクラップ 6.2.4 チタンスクラップのマテリアルフロー 6.2.5 チタンスクラップのリサイクル技術 6.2.6 チタンリサイクル技術の将来展望
第7章 製造プロセス 7.1 溶解・鋳造 7.1.1 溶解・鋳造の必要性 7.1.2 溶解法 7.1.3 鋳造法 7.1.4 合金設計による鋳造性の改善 7.1.5 力学的特性とその改善 7.2 塑性加工 7.2.1 チタンの塑性加工の目的 チタンに用いる代表的塑性加工/塑性加工によるミクロ組織制御 7.2.2 チタンの塑性加工の考え方 熱間塑性加工/冷間塑性加工 7.2.3 チタンに用いる各種塑性加工法 鍛造/圧延/押出し/引抜き・伸線/プレス成形 7.2.4 最新の塑性加工技術 7.3 粉末冶金技術と金属粉末射出成形 7.3.1 粉末冶金技術 7.3.2 粉末の製造法 7.3.3 粉末の固化・成形 7.3.4 MIMによるチタン合金の創成 MIMとその特徴/チタン合金への適用/MIM製造Ti-6Al-4V合金の機械的特性/高強度チタン合金の創成 7.4 金属積層造形 7.4.1 金属積層造形とは 7.4.2 AMの種類 粉末床溶融結合法/指向性エネルギー堆積法 7.4.3 チタンおよびチタン合金へのAMの適用 チタン合金の積層造形性ならびに組織と力学特性/チタン合金造形体の最適条件探索のための計算機シミュレーション 7.4.4 形状と材質(組織)の同時制御 チタン合金における形状パラメータ制御/チタン合金における材質(組織)パラメータ制御
第8章 溶接と接合 8.1 溶接 8.1.1 溶接施工上での留意点 8.1.2 溶接部のミクロ組織と諸特性 8.1.3 アーク溶接 ティグ溶接/ミグ溶接/プラズマ溶接 8.1.4 高エネルギービーム溶接 8.1.5 抵抗溶接 8.1.6 ろう付 8.2 接合 8.2.1 拡散接合 8.2.2 摩擦攪拌接合
第9章 チタンの応用と開発 9.1 多彩な応用事例 9.1.1 日本における主なチタン適用事例 熱交換器/電解槽電極/自動車用途/建材用途/土木用途/スポーツ・レジャー用途/眼鏡用途/その他民生品用途/航空機用途 9.2 耐熱材料応用 9.2.1 耐熱チタン合金の開発史 9.2.2 耐熱チタン合金のミクロ組織と高温クリープ特性 9.2.3 高温クリープ特性 Ti-6Al-4Vの高温クリープ特性/その他の耐熱チタン合金の高温クリープ特性 9.2.4 耐酸化性 9.3 生体材料応用 9.3.1 生体用チタンの現状 9.3.2 チタンの医療応用の歴史 9.3.3 チタンの医療用途と課題 9.3.4 チタンの生体組織適合性 9.3.5 チタンの生体組織適合性の発現機構 発現機構解明の現状/耐食性/表面水酸基,親水性,タンパク質吸着/リン酸カルシウム形成/表面バンド構造とバンドギャップ 9.3.6 生体適合化・機能化表面処理 9.3.7 再生医療への応用
第10章 チタンの規格 10.1 規格の種類 10.2 日本産業規格(JIS) 10.2.1 チタン材料規格 10.2.2 分析関係のJIS規格 10.2.3 チタン材料の試験方法に関する規格 10.2.4 特定分野向けチタン材料規格 10.2.5 JIS規格の入手,閲覧方法 10.3 その他の日本の規格 10.4 米国の規格 10.4.1 ASTM規格 10.4.2 その他の米国規格 10.5 国際規格(ISO規格)
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