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在庫は時期によりまして 変動することがございます |
書籍情報
(「はじめに」より)本書では,多様な磁性体物質・材料である金属磁性体,磁性半導体,無機物・酸化物磁性体,および有機分子磁性体などの現実物質をベースとして,それらの電子スピンや核スピンに関する量子操作の舞台となるナノ超構造物質の個別性の起源に立脚して,微視的な世界の基本法則である量子力学に基づいて,その量子機能と量子情報を伝搬しているスピンの持つコヒーレントなスピン物性機能に着目した新機能ナノ材料や新機能スピンデバイスを実現するための計算機ナノマテリアルデザイン手法とその応用について詳しく記述する. |
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スピントロニクスのための計算機ナノマテリアルデザイン
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A5/308頁 定価(本体4500円+税) 978-4-7536-2201-6 |
吉田 博(理学博士) 編著 |
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執筆者一覧
第1章 吉田 博(東京大学スピントロニクス学術連携研究教育センター,大阪大学名誉教授)
第2章 白井正文(東北大学電気通信研究所)
第3章 赤井久純(東京大学物性研究所,大阪大学名誉教授)
第4章 浜田典昭(大阪大学スピントロニクス学術連携研究教育センター,東京理科大学名誉教授)
第5章 小田竜樹(金沢大学理工研究域数物科学系)
第6章 中村浩次(三重大学大学院工学研究科)
第7章 神吉輝夫(大阪大学産業科学研究所)
第8章 佐藤和則(大阪大学大学院工学研究科)/真砂 啓(大阪大学スピントロニクス学術連携研究教育センター)/福島鉄也(東京大学物性研究所)/新屋ひかり(東北大学電気通信研究所)
第9章 三浦良雄(物質・材料研究機構 磁性理論グループ)
第10章 大戸達彦(大阪大学大学院基礎工学研究科)
第11章 阿部英介(理化学研究所量子コンピュータ研究センター)
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目 次 |
第1章 スピントロニクスのための計算機ナノマテリアルデザイン
1.1 スピントロニクス
古典磁性の歴史/巨視的量子効果としての量子磁性/スピントロニクスとは?
1.2 物性物理学の歴史
20世紀の物性物理学の歴史とその役割/21世紀の物性物理学の将来予測
1.3 計算機ナノマテリアルデザイン手法とその役割
産業構造の転換とデザインによる多階層のシームレスな連結/計算機ナノマテリアルデザイン手法
1.4 スピントロニクスと計算機ナノマテリアルデザインの将来展望
1.5 まとめ
第2章 スピントロニクス基礎 I
2.1 スピントロニクスと社会
デジタル情報記録容量の限界/情報通信機器の低消費電力化
2.2 磁気モーメント
電子の軌道運動/電子スピン/スピン軌道相互作用/円偏光によるスピン生成
2.3 磁界中の磁気モーメントの運動
ラーモア歳差運動/電界によるスピン操作
2.4 結晶中の磁性イオン(結晶場と単一イオンの磁気異方性)
結晶場による単一電子軌道準位の分裂/フントの規則と多重項/結晶場による多電子軌道準位の分裂/単一イオンの結晶磁気異方性
2.5 原子核と電子の相互作用
原子核の磁気モーメント/原子核と電子の相互作用(超微細相互作用)/メスバウアー分光
参考文献
第3章 スピントロニクス基礎 II
3.1 電子間の交換相互作用
3.2 1個の原子の磁性
3.3 2個の原子の磁性
ハイトラー-ロンドン極限/分子軌道極限/ハイトラー-ロンドン極限と分子軌道極限の意味/2サイト・ハバード模型を用いた解析
3.4 固体中の磁性イオン
金森-グッドイナフ則/ハバード模型を用いた超交換相互作用の記述/二重交換相互作用/エネルギーバンドから見た超交換相互作用と二重交換相互作用
3.5 スピン軌道相互作用
結晶磁気異方性/異方的交換相互作用/反対称相互作用(ジャロシンスキー-守谷相互作用)
3.6 ハイゼンベルク模型
3.7 まとめ
参考文献
第4章 スピントロニクス基礎 III
4.1 金属常磁性―パウリのスピン常磁性―
4.2 一般化帯磁率
3d遷移金属における一般化帯磁率/p型縮退半導体GaAsにおける一般化帯磁率/擬2次元半金属Y2Cにおける一般化帯磁率
4.3 磁性不純物
ハートレー-フォック近似/近藤効果(T ≲TK)/4d遷移金属中の鉄不純物/Al金属中のMn不純物
4.4 一様磁場中の電子状態
磁化/フェルミ面の観測/k空間におけるサイクロトロン運動/整数量子ホール効果
参考文献
第5章 磁気メモリ材料における磁気異方性の計算機ナノマテリアルデザイン
5.1 はじめに
5.2 磁気異方性エネルギーの理論計算
5.3 薄膜の磁気異方性:Co/Ni多層膜
5.4 磁気異方性の電圧制御:Fe/MgO界面
5.5 電気分極反転による効果:Pt/CoO/ZnO
5.6 おわりに
参考文献
第6章 スピントロニクス薄膜の磁気的性質とその制御
6.1 はじめに
6.2 遷移金属の電子構造と磁性
6.3 遷移金属薄膜の電子構造と磁性
6.4 遷移金属薄膜の結晶磁気異方性
6.5 超格子・多層薄膜化による遷移金属薄膜の結晶磁気異方性の制御
6.6 外部電場印加による遷移金属薄膜の結晶磁気異方性の制御
6.7 おわりに
参考文献
第7章 酸化物スピントロニクス材料・デバイスのデザイン
7.1 さまざまな機能物性を持つ遷移金属酸化物
7.2 スピンと電荷を操る物性機構―二重交換相互作用と超交換相互作用―
二重交換相互作用と超交換相互作用を知るための予備知識/二重交換相互作用/超交換相互作用
7.3 人工格子薄膜形成による酸化物スピントロニクスマテリアルデザイン
マテリアルデザイン@:金森-グッドイナフ則の実験による証明/マテリアルデザインA:スピンフラストレーション人工格子/マテリアルデザインB:キャリア変調トランジスタによる金属-絶縁体転移温度の制御
7.4 酸化物スピントロニクスマテリアルデザインのまとめ
参考文献
第8章 半導体スピントロニクス材料のデザイン
8.1 強磁性半導体のKKR-CPA法による取り扱い
8.2 Ge系磁性半導体
8.3 希土類添加磁性半導体
8.4 Korringa-Kohn-Rostoker(KKR)グリーン関数法の詳細
参考文献
第9章 スピントロニクス・インターフェースデザイン
9.1 はじめに
9.2 磁気トンネル接合におけるコヒーレント伝導特性
コヒーレント・トンネリング/Fe/MgO/Fe(001)MTJ/Fe/MgAl2O4/Fe(001)MTJ/Fe/disorderd-MgAl2O4/Fe(001)MTJ
9.3 ハーフメタル材料を用いた磁気トンネル接合
ホイスラー合金/磁気抵抗効果の温度依存性
9.4 磁気ダンピング定数
Kamberskyのトルク相関モデル/磁気ダンピング定数の第一原理計算/界面での磁気ダンピング定数
9.5 まとめ
参考文献
第10章 有機スピントロニクス
10.1 序論―有機スピントロニクス概論―
10.2 有機薄膜スピントロニクス
縦型有機薄膜デバイス/横型有機薄膜デバイス/最近の事例
10.3 単一分子スピンバルブ素子のマテリアルデザイン
トンネル磁気抵抗効果/分子スピンバルブ素子/非平衡グリーン関数法とその応用
10.4 有機磁気抵抗効果
OMARの歴史/OMARの機構/OMARの機構を解明するための試み
参考文献
第11章 ダイヤモンド量子スピントロニクス
11.1 序論―量子技術の進展とダイヤモンド量子スピントロニクスの位置づけ―
11.2 磁気共鳴の基礎
11.3 NV中心の物理
11.4 量子センシングの原理
11.5 ナノスケールNMR
11.6 単一核スピン検出
11.7 最近の進展
参考文献
執筆者紹介
索引
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