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古典的不等式の精密化






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書籍情報
本書はさまざまな古典的不等式(ハーディ不等式, ソボレフ不等式, レリッヒ不等式, 加藤の不等式, 等周不等式, CKN型不等式など)を訪ね, それらの新しい発展に触れるための解説書.理工系の学生や研究者はもちろんのこと,数学の愛好者であれば本書を色々なレベルで楽しめるよう工夫されている.取り扱われる多くの不等式たちは互いに関連を持ちつつもそれぞれ独立した存在のため興味のあるトピックスを辿って読み進むこともできる.専門性がやや高いと思われる箇所には[スキップ](必要になるまで読み飛ばしてよい)を準備,また少し手強いと思われる内容は適宜[付録]に収録した.
古典的不等式の精密化
臨界・非臨界の統一と∞次特異点の導入まで
A5/344頁 定価(本体6000円+税) 978-4-7536-0088-5
堀内利郎(理学博士) 著
まえがき 著者略歴

目 次
第I部 古典的不等式への誘い
第1章 1次元ハーディ不等式
 1.1 ハーディ不等式の登場
  I-1 [Fika]:Godfrey Harold Hardy について
 1.2 重み付きハーディ・ソボレフ不等式
  1.2.1 冪型の重み付き1次元ハーディ不等式
  1.2.2 一般の重み付きハーディ・ソボレフ不等式
 1.3 p=1 の場合のハーディ・ソボレフ不等式
  I-2 [Fika]:CKN 型不等式との意外な関係
 1.4 ヘルダーとミンコフスキー
  1.4.1 ヘルダーの不等式
  1.4.2 ミンコフスキーの不等式
 1.5 付録:定理1.2.3 と定理1.2.4 との証明

第2章 よみがえる古典的不等式たち
 2.1 高次元ハーディ不等式
  I-3 [Fika]:ハーディ不等式が現れる例
 2.2 ソボレフ不等式
  I-4 [Fika]:セルゲイ・ソボレフ
 2.3 古典的重み付きソボレフの不等式
  I-5 [Fika]:対称性の破れを体感しよう
 2.4 臨界と非臨界不等式の統一に向けて
  2.4.1 臨界の古典的重み付きソボレフ不等式
  2.4.2 古典的CKN型不等式
  I-6 [Fika]:恩師を偲んで(1)
 2.5 等周不等式
  2.5.1 等周不等式の証明
  2.5.2 2次元における等周不等式の考察
  I-7 [Fika]:図形がまるいということ
 2.6 レリッヒ型不等式
  2.6.1 高階のレリッヒ型不等式
  2.6.2 ハーディ・レリッヒ不等式
  2.6.3 重み付きレリッヒ型不等式への拡張例
  I-8 [Fika]:恩師を偲んで(2)
 2.7 超関数の意味の不等式
  2.7.1 関数解析学からの準備1
  2.7.2 加藤の不等式(2.7.1)の意味
  2.7.3 凸型の加藤の不等式
  2.7.4 凹型の加藤の不等式
  2.7.5 加藤の不等式たちの証明
  2.7.6 楕円型作用素に関する加藤の不等式
  I-9 [Fika]:恩師を偲んで(3)

第II部 古典的不等式の精密化に向けて
第3章 片側境界条件のハーディ不等式
 3.1 片側境界条件の1次元の古典的ハーディ不等式
 3.2 冪型と指数関数型の重み付きハーディ不等式への拡張
  II-1 [Fika]:恩師を偲んで(4)

第4章 ソボレフ不等式(p=1)と等周不等式の同値性
 4.1 関数解析学からの準備2
  4.1.1 ソボレフ不等式(p=1)→等周不等式
 4.2 ソボレフの不等式の証明(p=1のとき)
  II-2 [Fika]:p=1のソボレフ不等式が最強であること

第5章 ポワンカレ型不等式と球内の等周不等式
 5.1 ソボレフ不等式の別証明
 5.2 関数解析学からの準備3
 5.3 球におけるポワンカレ不等式
 5.4 球におけるポワンカレ不等式の応用
  II-3 [Fika]:2 つのシャボン玉が互いにくっつくと?

第6章 関数の球対称減少再構成について
 6.1 一般の密度関数に関する関数の球対称減少再構成
 6.2 許容関数に関する関数の球対称減少再構成
 6.3 関数の球対称減少再構成の連続性について
 6.4 余面積公式と球対称減少再構成 \( \mathcal{R}_f [u] (x)\) の関係
 6.5 写像 \( u \mapsto \mathcal{R}_f [u]\) の縮小性
  II-4 [Fika]:Mittag-Leffler-Institutet Part 1
 6.6 付録:命題6.5.1の証明

第7章 関数の球対称減少再構成の応用
 7.1 ソボレフ不等式(p>1)の厳密な証明
  7.1.1 S(p, n) = Srad(p, n) の証明
 7.2 レリッヒ不等式と球対称減少再構成の関係
  7.2.1 定理2.6.3 の証明
  7.2.2 補題7.2.1 の証明
  II-5 [Fika]:Mittag-Leffler-Institutet Part 2 + Chernobyl

第8章 古典的不等式のミッシング・ターム
 8.1 古典的ハーディ不等式のミッシング・ターム
 8.2 任意有限個のミッシング・ターム
 8.3 定理8.2.1の証明
  8.3.1 Ωが球でuが球対称減少関数の場合
  8.3.2 Ω が一般の有界領域の場合
 8.4 その他の古典的不等式のミッシング・タームの例
  II-6 [Fika]:In memory of my teacher (1)

第III部 等周不等式による古典的不等式の精密化
第9章 重み付きソボレフ不等式の精密化
 9.1  重み付きソボレフ空間の定義
 9.2 閉集合Fに関する性質P(s)
 9.3 性質P(s)を満たす例と注意
 9.4 重み付きソボレフ不等式と重み付き等周不等式
  9.4.1 重み付きソボレフ不等式
  9.4.2 重み付き等周不等式
 9.5 重み付きソボレフ不等式と重み付き等周不等式の同値性
  9.5.1 重み付きソボレフ不等式―→重み付き等周不等式
  9.5.2 重み付きソボレフ不等式←―重み付き等周不等式
 9.6 重み付きソボレフ不等式の仮定の必要性
  III-1 [Fika]:カントール集合とシェルピンスキーのカーペット
 9.7 定理9.4.2(重み付き等周不等式)の証明
  9.7.1 関数解析学からの準備4
  9.7.2 ステップ1:基本命題の準備
  9.7.3 ステップ2:「理論の鍵」の準備
  9.7.4 最終ステップ:命題9.7.2の証明
 9.8 付録
  9.8.1 Fが任意の閉集合のとき何が言えるのか?
  9.8.2 例9.3.2の検証(カントール集合が性質P(s)を持つこと)
  III-2 [Fika]:In memory of my teacher (2)

第IV部 ミッシング・タームの発見による精密化
第10章 古典的ハーディ不等式の精密化
 10.1 イントロダクション
 10.2 関数空間の準備1
 10.3 主要な結果
 10.4 定理10.3.1の証明
  10.4.1 ステップ1(準備)
  10.4.2 ステップ2(1次元へ帰着)
  10.4.3 ステップ3(1 次元変分問題)
  10.4.4 最終ステップ(精密性)
 10.5 精密化ハーディ・ソボレフ不等式の変分問題への応用
  IV-1 [Fika]:In memory of my teacher (3)

第11章 古典的レリッヒ不等式の精密化
 11.1 イントロダクション
  11.1.1 古典的レリッヒ不等式のミッシング・ターム
  11.1.2 領域と関数の球対称減少再構成
  11.1.3 非臨界の場合の不等式の証明
  11.1.4 臨界の場合の不等式の証明
  11.1.5 精密性の証明の概略
  11.1.6 非臨界の場合
  11.1.7 臨界(pn/2)の場合
 11.2 精密化レリッヒ不等式の変分問題への応用
  IV-2 [Fika]:2001 年スウェーデンへの旅

第V部 CKN 型不等式の新しい定式化による精密化
第12章 古典的CKN型不等式の新しい定式化
 12.1 古典的CKN型不等式との関係
 12.2 準備
  12.2.1 関数空間の準備2
  12.2.2 関数解析学からの準備5
 12.3 非臨界な場合の主要な結果
  12.3.1 非臨界CKN不等式
  12.3.2 球対称空間におけるCKN 型不等式の最良定数\(S^{p,q;\gamma}_{\rm rad} (p > 1) \)
  12.3.3 最良定数\(S^{p,q;\gamma}_{\rm rad} \)と\(S^{p,q;\gamma} \) の重要な関係
  12.3.4 最良定数\(S^{p,q;\gamma} \)の連続性
  12.3.5 極値関数の存在と非存在
 12.4 臨界の場合の主要な結果
  12.4.1 臨界のCKN 型不等式
  12.4.2 最良定数\(C^{p,q;R}, C^{p,q;R}_{\rm rad} \) の関係
  12.4.3 最良定数\(C^{p,q;R} \) の連続性
  12.4.4 最良定数を実現する極値関数の存在と非存在
 12.5 付録:積型のCKN型不等式
  V-1 [Fika]:注の多いSwedish check Part 1

第13章 CKN型不等式(p=1)と対称性の破れ
 13.1 CKN型不等式(p=1)と重み付き等周不等式の同値性
  13.1.1 定理13.1.2 と定理13.1.3 の証明
 13.2 対称性の破れ(p=1)
  13.2.1 定理13.2.1 と定理13.2.2 の証明
 13.3 付録:対称性の破れについて(p=2 の場合)
  V-2 [Fika]:注の多いSwedish check Part 2

第VI部 無限次の爆発や退化を許容する重みの導入による精密化
第14章 1次元ハーディ不等式の精密化
 14.1 準備
 14.2 第1段階の精密化と定理3.2.1と定理3.2.2の証明
 14.3 定理14.2.1の証明
  14.3.1 補題の準備
  14.3.2 定理14.2.1の証明
 14.4 さらなる精密化
  14.4.1 定理14.4.1の証明
  VI-1 [Fika]:ICM の思い出(京都からベルリン)

第15章 境界型の高次元ハーディ不等式の精密化
 15.1 イントロダクション
  15.1.1 境界に重みを持つ高次元ハーディ不等式
  15.1.2 定理15.1.1と系15.1.1の証明
  15.1.3 定理15.1.2の証明
  15.1.4 命題15.1.1の証明
 15.2 変分問題への応用
  15.2.1 変分問題の設定
  15.2.2 基本的な結果
 15.3 定理15.2.1の証明のスケッチ
  15.3.1 \(J^w_{p,\lambda} \)の上限の評価 \( (\displaystyle\sup_{\lambda} J^w_{p,\lambda} \leq \Lambda_p ) \)
  15.3.2 \(J^w_{p,\lambda} \)の上限の精密評価 \( (\displaystyle\sup_{\lambda} J^w_{p,\lambda} = \Lambda_p ) \)
 15.4 付録:補足15.2.1の主張(1)と主張(2)の証明の概要
  15.4.1 補足15.2.1の主張(1):\( \lambda < \lambda^{*} \)の場合には\( J^w_{p,\lambda} \)が達成されないこと
  15.4.2 補足15.2.1の主張(2):\( \lambda < \lambda^{*} \)の場合には\( J^w_{\lambda} \)が達成されること
  VI-2 [Fika]:ICMの思い出(北京からハイダラバード)

第16章 CKN型不等式の精密化(p>1)
 16.1 イントロダクション
 16.2 CKN型不等式における臨界と非臨界の不思議な関係
 16.3 主要な結果
  16.3.1 n次元CKN型不等式
 16.4 定理16.3.2の証明
 16.5 定理16.3.3の証明
 16.6 付録:1次元のCKN型不等式(16.3.7)の初等的証明
  VI-3 [Fika]:ICMの思い出(ソウルから幻のサンクト・ペテルブルク)

第17章 CKN型不等式の精密化(p=1)
 17.1 イントロダクション
 17.2 準備
 17.3 n次元の結果
 17.4 定理17.3.2の証明
 17.5 定理17.3.3の証明
 17.6 付録:CKN型不等式(p>1)における極限操作 p→1
  VI-4 [Fika]:もう1つのCorona問題

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